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執筆者の写真浅海摩紀

三越伊勢丹グループ "小売の王様"からビジネスサポートへ「イベントサポート」「人材派遣」「百貨店DX」ー次世代EC&店舗 EXPO【春】




第30回 Japan IT Week 春の出展者リストを見て、思わず「え?」と反応してしまったのが、(株)三越伊勢丹ホールディングスの初出店!展示会初日の朝一番に乗り込んでみた。





ブースは、「イベマチ」と呼ばれるイベントマッチングプラットフォームサービスを運営する(株)レオマートと、社内企業第一号案件として2019年10月に起業した(株)ワンデイワークと出展。小売の王様だった百貨店が行き残りをかけて新しい事業に挑む姿をアピールするためのデビュー戦だ。



一つ目のサポートは、コロナ禍、テナントの空きスペースに積極的に運営されるようになったポップアップやイベント。従来は由緒正しきお買い場として近づきがたかった三越伊勢丹ホールディングスの全国22カ所とイベント希望者をつなぐサービスが「イベマチ」。出店には審査が伴うが、既にこのサービスの利用者は、実売よりもマーケティングを目的としているケースが多く、特筆すべきは百貨店の優良顧客情報を出店者がダイレクトに入手できる、つまりD2Cビジネスが許されているのだ。今までなら考えられない好条件だ。また、売場づくりのプロたちが出店者をサポートする様々なサービスも整備されている。(有料)








そして二つ目のサービス、三越伊勢丹グループの単日や短時間アルバイトアプリ「ワンデイワーク」は、元百貨店出身者などの登録も多く、スキマ時間にすぐ働ける求人情報アプリは多いが、百貨店が運営するアプリとあれば、雇用企業の信用度合いも違ってくることだろう。












三つ目のサービスは、仮想空間で様々な体験、出会いや買い物が楽しめる「REV WORLDS」(レヴワールズ)アプリ。


社員の開発担当者は、たった一人で粛々と買い物をするECショッピングに「なんか違う」という思いからこのサービスを思いついた。


実際にアプリを使ってみてまだまだ開発途上感は否めないが、買い物は本来、人やモノとの出会いや会話から、驚きや共感、感情の変化を経て楽しむものなんだという小売愛を感じる仮想空間だ。






今回のIT weekを通して痛感したのは、DXを目的としている企業の多さ。機能や仕組みについては説明できるけれど、それらの手段によって何がしたいのか?という提案がない。

その点、この「REV WORLDS」には少なくとも「伊勢丹で、新宿で、楽しく買い物をしてほしいんだ」という目的がある。このことを達成するための手段があくまでDXなのだ。


昭和の時代から様々な文化を継承し、暮らしを豊かにする提案や夢を与え続けてくれた百貨店を今度はみんなで応援したい。心からそう思った。








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